新鮮な酸素と太陽光

自然界の殺菌剤 英国国防省の敷地で行なわれた実験から幾らか答えが得られます。科学者たちは,ロンドン上空で生物兵器が爆発した場合,空気の安全性が確保されるまでの時間を検証しようとしました。それで,病原菌の空気中での生存力を見極めようとクモの巣に大腸菌を付着させ,それを外気にさらしました。大腸菌は太陽光線で死滅するため,実験は夜間に行なわれました。どんな結果になったでしょうか。 約2時間後,大半の菌は死滅していましたが,同じ場所で,同じ温度と湿度に保たれた箱の中の菌は,2時間経過しても,大半が生きていました。なぜでしょうか。大気中の何かが作用して菌を殺すようです。このいわゆる「開放空気因子」はまだ十分には特定されていません。しかし,研究者たちは,大気中に自然発生するある化合物が「空気に潜んでいる病原菌や細菌に対して天然の殺菌剤の役目を果たしている」と言います。 日光にも殺菌作用があります。「院内感染ジャーナル」(英語)は,「空気感染する大半の細菌は,直射日光の下では生存できない」と述べています。 では,あなたはどうしたいと思われますか。外に出て適度な時間,太陽を浴び新鮮な空気を吸い込みたいと思うかもしれません。それはきっと健康に役立つことでしょう。 [脚注] 大気汚染,騒音,消防法,安全などの理由により,窓を開けておくことが望ましくない場合もあります。