複合型PTSDの特徴
1.情動・衝動の調節に関する障害
a 情動の統制障害(抑うつ感、躁状態)
b 怒りの調整障害(わずかのことで怒りを爆発させるなど)
c 自己破壊性(自傷行為、嗜癖など)
d 自殺願望
e 性的関わりへの調整障害(過度で自己破壊的な性行動、性倒錯など)
f 危険な状況へ自ら飛び込む衝動(飲酒して危険な運転をするなど)
2.注意・意識に関する障害
a 健忘(忘れ物が多い、同じ失敗を繰り返すなど)
b 離人症(自分が生きていなように感じる、物をガラス越しに見ているように
感じる)
c 一過性の解離のエピソード(一時的に記憶を失い、まるで他の人格であるか
のように振る舞う)3.身体化
a 消化器系(潰瘍性大腸炎など)
b 慢性痛(頭痛など)
c 心肺系(喘息など)
d 転換症候(歩行障害、失声、感覚脱失など)
e 性的症候(性的不能、性欲の亢進など)
4.自己認識に関する障害
a 無力感(自分は自分を守る力さえないと思う)b 癒すことの不可能な自己損
傷の感覚
c 罪悪感と罪責感(自分の過ちのためにトラウマが起きたと考える)
d 羞恥心(本当の自分は人前にさらすことが恥ずかしい存在だと思う)
e だれも自分を信じないと思う
f 自己卑下(自分など生きる価値がない存在だと思う)
5.トラウマの加害者についての認識に関する障害
a 加害者の歪んだ信念の取り入れ(パワーで人を支配するという考えなと)
b 加害者を傷つける願望にとらわれる
c 加害者を理想化する (加害者の言動をまねしたり、賞賛する)
6.他者との関係における障害
a 他人を信頼することが困難
b 他人を虐待し、犠牲者(被害者)にする
c 再び犠牲者になる(自分をうまく守れず、繰り返しレイプされる)
7.意味システム(世界観)における障害
a 自暴自棄、絶望感(信仰を築き上げることが難しい)
b 以前の自分を支えてきた信念体系の喪失
※ B ファン・デル・コルクらによる(注記は筆者)
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