🐟インナーチャイルド」との出会い(怒りと悲しみを受け止める)🐟
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グリーフ・ワークをしていると、不意に小さいときの自分にイメージとして
出会うことがあります。「インナーチャイルド」は超自然の現象ではなくて、
無意識のうちに否認され無視し続けられてきた「内なる子供」の記憶の一部で
す。ノーマルな人は「内なる子供」が意識せずに自由に生きているので、「イ
ンナーチャイルド」として意識されることはまずありません。それでも祈りや
黙想の時間などに、自分を取り巻くしがらみから解き放されると、力強く素直
な考えや感情があふれる経験をすることがあります。こんな時にはきっと、
「内なる子供」が素直に表現されているのでしょう。聖書も自分の中のもう一
人の自分を子供のように扱っている場面を次のように、優しく描写していま
す。 「まさに母に抱かれた乳離れしたばかりの幼児のように、わたしは自分
の魂をなだめ、静めました。わたしの魂は、わたしに抱かれた乳離れしたばか
りの幼児のようです」。詩編131:2,3
あなたの出会った「インナーチャイルド」は全く口をきかなかったり、後ろ
向きでうつむいていたり、凶暴であったり、泣きわめいたり、甘えたりするこ
とがあります。それだけ、あなたは子供時代にもっと暖かい世話を必要として
いたのでしょう。長い間無視されてきたことへの怒りや、満たされてこなかっ
たことへの悲しみや欲求が吹き出してくるのでしょう。わたしたちは、これに
困惑して無視したり、叱りつけ、また沈黙の世界へと追いやることをしてはな
りません。泣いていれば「悲しいんだね」と声をかけ、怒っていれば「怒りた
いんだね」と声をかけると良いでしょう。甘えていれば「甘えていいんだよ」
と語ってやります。子供はそのように扱ってあげればいいのです。しばらくす
るうちに、強い要求はおさまります。
しかし、いつまでも「インナーチャイルド」の言いなりになるのは、健全な
回復を助けることではありません。わたしたちは自分と、自分の魂である「イ
ンナーチャイルド」と共に真の父のもとに還ることが必要なのです。そして愛
ある世話や正しい意味でのしつけ(精神の規整)を受けることが必要です。も
ちろんニコニコしている「インナーチャイルド」に出会うこともあります。本
当の自分はこんなに明るかったんだと驚くこともあるのです。