✨インナーペアレント」との別れ(今の自分を受け入れる)✨
✨傷ついた「内なる子供」は日本では仕事依存で家族に対しては責任を果たさ
ない機能減少の父親と、家族の世話を一身に背負って機能過剰になってしまう
母親によって作られることが多いと言われています。クリスチャン家庭の中に
も、子供にほとんど関心を払わない(?)未信者の父親と、自分と子供たちの
信仰を守ろうと必死になって機能過剰になっている信者の母親のケースは多く
見られます。こうした親の姿は、子供の心の中にしっかり住み着いて、あなた
のものの見方や感じ方を縛ります。
「インナーペアレント」というのは大人になって、時に家を離れた後でも、
なお自分にしっかり住み着いて、あなたを縛ろうとしている自分の心の中の親
のことです。「ひとに負けてはいけない」「いつもよい子でなければいけな
い」「誰にでも好かれるようでなければいけない」「一流の大学を出なければ
価値はない」等々。こうした価値観は親元を離れてもあなたを縛り続けます。
子供の時に、「わたしは絶対に親のようにはならない」と決意していたの
に、結婚して子供ができると、いつの間にか親と同じように自分の子供に接し
ている姿を発見することがあります。これは「インナーペアレント」の働きで
す。もし、それが自分と家族を傷つけているのであれば、この心の中の親と自
分との間にしっかりとした線を引いて整理し、親の人生観と自分の人生観の間
にくさびを打ち込むことが大切です。これは実の親を捨てることでも、親を憎
むことでもありません✨
✨ 機能的な家族に招かれたり、外国でホームステイをする時などに、親と子供
が自由に意見を交わしたりしていたり、わいわい食事をしているのを見ると、
「こんな家もあるんだ!」とびっくりすることがあります。まずそのびっくり
が大切です。「自分の知っていた家とは違う生き方がある」という基本的な認
識ができると、親との間に少し距離が取れます。もちろん、親への怒りや、の
びのびとした家庭を得られなかったことへの悲しみや不安などが吹き出します
が、そういう自分を非難せず、むしろ「良いこと」であると考えて支えてあげ
ることが大切です。この「感情の放出」は自然であり大切なことなのです。
治療者やグループの中で親についての「ストーリー」を話していきます。自
分の親のイメージや、親との関係の「ストーリー」です。何度も繰り返して話
していくうちに、親の前ではとても表せなかった感情を表現することが出来ま
す。これを批判されずに受け止めてもらっていくことが出来ると、「怪物のよ
うに巨大だった親」は段々小さくなっていくものです。初めの「ストーリー」
では親が主役ですが、徐々に自分が主役になっていって親は脇役になっていき
ます。自分のなかに棲みついた「インナーペアレント」に支配され、親の人生
の共演者になっていた人が、「自分の人生の主人公」になるのです。
実際の親とは和解できない場合が少なくありません。実際に虐待してくる親
を許すことは難しいでしょう。それがふさわしければ、憎んでもいいし、闘っ
てもいいのです。折り合いをつけてもいいし、追い出してもいいのです。自分
が「自分の人生の主人公」になるには親を自分のストーリーの単なる一登場人
物として整理していければいいのです。安全な場所で語り続けるうちにストー
リーは必ず変わってくるものです。
他にもロールプレイを用いてのサイコドラマも役立ちます。自分の気持ちを
親の役割をしてくれる人に表現したり、相手役になる方に自分が期待している
親の役割を与えることを通して感情的に区切りをつけて「インナーペアレン
ト」との別れをする事ができます。✨